段差のない平屋なのに、家じゅうのドアが750mmに届かなかった|一番広いのは玄関ドアの880mmだった
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平屋を建てるとき、「バリアフリー」という言葉を一度も使いませんでした。段差をなくしてくださいとも、手すりを付けてくださいとも言っていません。平屋にしたのはパラペットの施工面積に気づいたからで、老後のためではありませんでした。
家の中に段差がないことは、図面を見た時点で分かっていました。各部屋の床の高さが ±0 と書かれていて、そのとおりに仕上がっています。
分からなかったのは幅のほうでした。ドアが何mmで、通路が何mmなのか、図面にも書かれていません。メジャーを持って家じゅうを測り、住宅性能表示制度の基準の数字と並べました。
750mmを超えていたのは、玄関ドアだけでした。
この記事でわかること
- 平屋1軒ぶんの通路の幅とドアの有効開口の実測値
- 住宅性能表示制度の基準にある数字と、その測り方
- 図面のマス目からは分からない「実際に通れる幅」
- 標準仕様のまま手に入っていたものと、意識して選んだもの
先に結論
| 場所 | 実測 | 基準の数字 |
|---|---|---|
| 玄関ドア | 880mm | 750mm(等級5は800mm) |
| 洗面所の3か所・トイレの引き戸 | 735mm | 750mm |
| 浴室の開きドア | 730mm | 650mm |
| 玄関ホール〜LDK スリットスライダー | 710mm | 750mm |
| 主寝室・ホール〜LDK の引き戸 | 700mm | 750mm |
| 洋室・洋室(2) の開き戸 | 630mm | 750mm |
| ホール(通路) | 775mm | 780mm |
| 玄関ホール(通路) | 850mm | 780mm |
| 玄関の上がり框 | 180mm | ― |
| 浴室のまたぎ | 23mm | ― |
ドアで基準を超えたのは玄関ドアだけ。通路のほうも、ホールが5mm足りませんでした。
比べる相手の数字と、測り方
住宅性能表示制度に「高齢者等配慮対策等級」という項目があります。ここに通路とドアの幅の数字が書かれています。
| 項目 | 等級4 | 等級5 |
|---|---|---|
| 通路の有効な幅員 | 780mm以上(柱などの箇所は750mm) | 850mm以上 |
| 出入口の幅員 | 750mm以上 | 800mm以上 |
| 浴室の出入口 | 650mm以上 | 650mm以上 |
| 浴室の短辺(内法) | 1,400mm以上 | 1,400mm以上 |
トイレは短辺が内法で1,100mm以上、浴室の短辺は等級3なら1,300mm以上とされています。
出入口の幅というのは、枠の内寸ではありません。
- 開き戸は、開けたときに残る扉の厚みを引いた幅
- 引き戸は、開けきっても開口にかかったまま残る戸の分(引き残し)を引いた幅
どちらも、実際に体が通る幅のことです。
さらに、玄関と浴室以外のドアについては、工事をせずに外せる部分の長さを含めてよいことになっています。我が家の場合、開き戸の子供部屋は扉を外せば広くなりますが、引き戸のほうは外してもほとんど変わりません。
この記事の数字は、すべて実際に通れる幅で測っています。
なお我が家は住宅性能評価を取っていないので、等級を名乗ることはできません。ここでやっているのは、基準の数字と実測値を並べているだけです。
段差は玄関の1か所だけです
図面で -180 と書かれているのは、玄関土間とシューズクロークだけです。それ以外はすべて ±0。
実際に測りました。玄関の上がり框は180mm。図面のとおりでした。

洗面所から浴室に入るときのまたぎは、23mmでした。

23mmは、スリッパの厚みくらいです。トイレも洗面所も寝室も子供部屋も、段差はありません。
夜中にトイレに行く動線を照明で組んだとき、寝室から洗面所まで曲がりも段差もないと書きましたが、これは家じゅうに当てはまっていました。段差のない家は、何も頼まずに手に入っていました。
ホールの通路は775mmでした
我が家には廊下が2か所ありました。そのうち1か所は、天井サーキュレーターの条件を満たすためになくして、部屋を広げています。残ったもう1か所が、寝室とLDKをつなぐ「ホール」です。図面上の名前はホールですが、役目は廊下です。
ここを測りました。一番狭いところで775mmでした。

基準は780mm。5mm足りません。
測る位置を数十cmずらすと770mmになったり775mmになったりします。図面から読んだ寸法と実測が3mm違った前の記事と同じで、この程度のばらつきは出ます。ただ、どこで測っても780mmには届きませんでした。
玄関側は違いました。玄関ホールの通路——シューズボックスの角からスリットスライダーの角まで——は850mmです。等級5の線にちょうど乗っています。
一条の図面では、玄関側が「玄関ホール」、寝室とLDKの間が「ホール」と、別の名前で区別されています。広いほうは玄関側で、狭いほうは寝室に行くほうでした。 毎日使うのは後者です。
ドアの幅は、通路よりさらに狭い
家じゅうのドアを、狭い順に並べます。
| 場所 | 種類 | 有効開口 |
|---|---|---|
| 洋室・洋室(2)(子供部屋2室の入口) | 開き戸 | 630mm |
| 主寝室 | 引き戸 | 700mm |
| ホール〜LDK | 引き戸 | 700mm |
| 玄関ホール〜LDK | スリットスライダー | 710mm |
| 浴室 | 開きドア | 730mm |
| 洗面所の3か所・トイレ | 引き戸 | 735mm |
| 玄関 | 玄関ドア | 880mm |
一番狭いのは子供部屋の入口の開き戸で630mm。間仕切りを3本引き戸にした部屋の、入口のほうのドアです。一番広い玄関ドアとの差は250mmあります。


並べていて、一番引っかかったのはここです。
ホールの通路は775mm。そのホールに面した引き戸は700mm。壁と壁の間より、そこに付いているドアのほうが75mm狭い。
家の狭さを決めていたのは、間取りではありませんでした。ドアでした。
「引き戸のほうが通りやすい」とよく言われます。我が家の数字でも、そのとおりでした。部屋の入口で比べると、引き戸が700〜735mm、開き戸が630mm。引き戸のほうが70〜105mm広い。 それでも750mmには届いていません。
浴室だけが全部の基準を超えていました
家の中で一番余裕があったのは、風呂場でした。
| 項目 | 我が家 | 基準 |
|---|---|---|
| 出入口 | 730mm | 650mm |
| 短辺の内法 | 1,600mm | 1,400mm(等級3は1,300mm) |
| またぎ | 23mm | ― |
浴室は縦も横も1,600mmで、正方形です。1.0坪のグレイスバスを選んだだけで、特別なことは何もしていません。
介助が必要になったときに一番苦労するのは浴室だと言われます。そこが標準仕様のまま基準を超えていたのは、運が良かったと思っています。
トイレが一番厳しい数字でした
逆に一番厳しかったのがトイレです。
短辺の内法は850mm。基準の1,100mmには250mm足りません。さらに、引き戸を閉めた状態で、扉の面から手洗い器の受けまでが約600mmでした。

600mmは、体の向きを変えるのがやっとの幅です。我が家は平屋にトイレを1つしか作りませんでしたが、その1つがこの広さです。
1帖を1.5帖にすれば広くはなります。ただ、打ち合わせのときに将来を見越して広くしようとは、考えもしませんでした。
手すりは3か所にありました
寸法とは別に、仕様書を読み返して整理したことがあります。手すりが3か所あります。
| 場所 | 手すり | 仕様書の記載 |
|---|---|---|
| 玄関ホール | 木製のI型手摺 | 単独の項目として記載 |
| 浴室 | 浴槽の長手側の縦手摺、水栓脇の縦手摺 | 「標準手摺」と記載 |
| トイレ | 手洗い器についている手すりカウンター | 手洗い器の品番に含まれる |
玄関ホールと浴室の2か所は、頼んだ覚えがありません。浴室の欄には「標準手摺」と書かれています。
トイレだけは事情が違います。我が家の便器はTOTOのネオレストAS1で、タンクレスなので便器に手洗いが付いていません。何も足さなければ、トイレの中で手は洗えません。
そこで手洗い器をオプションで付けました。LIXILのコフレルスリムです。妻は、老後を見越して手すりカウンタータイプを選んでいました。
家じゅうを測って、はっきりしたことがあります。バリアフリーを意識して選んだのは、この1か所だけでした。残りは標準仕様か、たまたまです。そして意識しなかったところは、段差は最初からなくて、幅はどこも足りていませんでした。
トイレの手すりについて、確かめきれていないこと
一条のトイレ収納には、品名に「手摺」が含まれるタイプがあります。我が家の仕様書にあるトイレ収納は「収納ボックス:ウォール TOB(L/R)」で、手摺の記載はありません。
手洗い器を付けなければ手すりが付かなかったのか、収納の選び方しだいで付いていたのか、そこまでは確かめきれませんでした。手すりだけを単体で頼めたのかどうかも分かりません。 打ち合わせの記録に残っていないので、推測は書かないでおきます。
これから決める人へ
1. マス目の数ではなく、通れる幅を聞く
図面には910mmのグリッドが引かれていて、1マスあれば通れそうに見えます。我が家はその1マスの場所に630mmのドアが付いていました。差は280mmです。
図面の寸法は自分でも測れます。グリッド1マスを91mmに合わせて、読んだ値を10倍する方法を前に書きました。ただしこれで出るのは枠の寸法で、通れる幅ではありません。
聞き方は「このドア、実際に通れる幅は何mmですか」だけで足ります。
2. ドアの幅を選べるかどうかは、確認が必要です
一条の建具は規格化されているので、グランスマートの中で幅の広いドアを選べるのかどうかは分かりません。我が家は打ち合わせで聞いていないので、確かめていない、というのが正直なところです。シリーズが変われば選択肢も変わるかもしれません。
3. トイレの広さは、あとから変えられません
開き戸なら扉を外せば少し広くなりますが、引き戸は外してもほとんど変わりません。トイレの短辺は壁の位置なので動かせません。1帖でいくか1.5帖にするかは、図面の段階でしか決められません。
4. 段差は、頼まなくてもなくなっているかもしれません
我が家は何も言わずに、段差が玄関の1か所だけになりました。図面の各部屋に書かれた ±0 を見れば、着工前に確認できます。
わが家は打ち合わせで、ドアの幅を一度も聞きませんでした。図面のマス目だけを見て決めています。
ドアの幅もトイレの広さも、図面が固まってからでは動かせませんでした。タウンライフ家づくりでは、間取りプランや資金計画書とあわせて、複数の住宅会社から提案を無料で取り寄せられます。どこまで指定できるかは会社によって違うので、比べる材料になります。
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よくある質問
有効開口はどうやって測りますか
ドアを開けきって、床にメジャーを置き、実際に体が通る部分の端から端までを測ります。開き戸は開いた扉の厚みを引いた位置、引き戸は開口に残っている戸の分を引いた位置です。
ドアを外せば広くなりますか
基準の考え方では、工事をせずに外せる部分を含めてよいことになっています。我が家の場合、開き戸の子供部屋は扉を外せば広くなります。引き戸は外してもほとんど変わりません。
我が家は基準を満たしていますか
住宅性能評価を取っていないので、等級としての判定はできません。この記事は基準の数字と実測値を並べているだけです。
いま困っていることはありますか
ありません。家族4人とも問題なく暮らしています。この記事は将来どうかを測ったもので、今の不便を書いたものではありません。