一条工務店の図面の寸法は、自分で測れる|1マスを91mmにそろえて、読んだ値を10倍する
一条工務店で家を建てた施主です。
イメージ図ではなく、寸法の入った正式な図面をもらうようになってから、何度も同じことを思いました。この金物と壁のあいだ、何ミリ空いているんだろう。
図面には寸法がたくさん書き込まれています。ただ、自分が知りたい場所に限って、書かれていません。
設計士さんに聞けば教えてもらえます。でも次の打ち合わせは2週間後です。それまで待つのが嫌で、自分で測るようになりました。
先に結論
- 図面を画像として貼れて、物差しを出せるアプリなら何でもできる
- 一条の図面は1マスが910mm。そのマスが物差しで91mmになるところまで拡大する
- あとは測りたいところをmmで読んで10倍すれば、実寸のmmになる。cmで読むなら100倍
- この方法で出した窓の幅は2,250mm。1年半後にメジャーで測り直したら2,253mmだった
- ぴったり91mmには合わせられない。長い距離はマスを数えて、はみ出した分だけ測る
図面に書かれている寸法は、ごく一部
一条の平面図には、外周の寸法とグリッドの番号が入っています。910mmや1,820mmといった数字が、外側にずらりと並びます。
けれど打ち合わせで気になるのは、たいていその内側です。
物干し金物と壁のあいだ。コンセントとコンセントの間隔。ニッチの端から柱まで。棚を置きたい場所の幅。このあたりはどれも、図面に数字が書かれていません。
書かれていないだけで、図面上には正しい縮尺で描かれています。だったら測れるはずです。
やり方は3つの手順
1. 図面を画像としてアプリに貼る
私はiPadのGoodNotesを使っています。ただ、このアプリでなければならない理由はありません。画像を拡大縮小できることと、物差しを画面に出せること。この2つがあれば成立します。
図面のPDFをスクリーンショットで撮るか、画像として書き出して、ノートの上に貼ります。
2. 1マスが91mmになるまで拡大する
物差しを画面に呼び出して、図面のグリッド1マスに当てます。そのうえで、マスの端から端が物差しで91mm、つまり9.1cmと読めるところまで画像を拡大します。

グリッド1マスに物差しの0を合わせたところ。反対側の端が9.1に来れば基準ができます。
3. 測って、10倍する
あとは測りたい2点に物差しを当てるだけです。
mmで読んだなら10倍。225mmと読めたら実寸2,250mmです。物差しの大きい数字はcmなので、cmで読むなら100倍します。22.5cmなら2,250mm。同じことを言っていますが、桁を間違えやすいのはここです。
なぜ91mmなのか
1マスが910mmで、それを91mmにそろえているので、画面上の長さがちょうど10分の1になります。だから10倍で戻ります。
91mmでなくてもかまいません。1マスを45.5mmにそろえれば20倍、182mmなら5倍です。ただ10倍が、いちばん間違いにくい戻し方だと思います。
いちばん難しいのは、91mmに合わせること
正直に書くと、ここがうまくいきません。
GoodNotesで拡大縮小する方法は、指で広げたり縮めたりするピンチ操作しか見つけられませんでした。倍率を数字で指定できれば、それを使いたい。指の操作でぴったり91mmを出すのは無理でした。
実際には、1マスが90mmから91mmのあいだに収まればよしとしています。
これは誤差になります。本当は91mmであるべきマスを90mmとして測ると、出てくる数字は1%ほど小さくなります。2,250mmを測ろうとして2,225mm前後になる、という程度です。
誤差を減らすなら、マスは数える
その誤差は、測り方でかなり小さくできます。
1マスは910mmだと決まっているので、マスに収まる分は測らずに数えればいい。長い距離を端から端まで物差しで測るのではなく、まず何マスあるかを数えて、マスからはみ出した部分だけを測るやり方です。
ただし、測りたいものの両端がきれいにマスの線に乗ることは、ほとんどありません。たいてい左右どちらにもはみ出すので、測るのは2か所になります。誤差もその2か所ぶんです。
それでも、端から端まで物差しでたどるよりは、誤差のかかる長さがずっと短くなります。
本当に合っているのか、1年半後に確かめた
この記事を書くにあたって、答え合わせをしました。
リビングの大きな窓を図面上で測ると、2,250mmでした。そのうえで実際の窓枠を外側でメジャー測定したところ、2,253mm。差は3mmです。

窓枠の端にメジャーを当てたところ。反対側の端まで測って2,253mmでした。
2,250mmに対して3mmなので、ずれは0.1%ほどです。図面から読んだ値と、1年半住んだ家の現物が、この精度で合いました。
なお、窓の品番から寸法を計算する方法もあります。前の2桁と後ろの2桁にそれぞれ3を掛けるとcmになる、という読み方です。続図面記号。という記事に、記号の意味がひととおりまとめられています。
ただ、わが家の窓でこの計算をすると2,490mmになり、図面上の実測とも現物とも240mm違いました。品番はサイズの見当をつけるには便利ですが、実際の寸法として使うものではないのだと思います。
何に使っていたか
わが家はコンセントの位置を、口頭の「このあたりに」ではなく、寸法を入れた図で指示していました。無料の3D CADで棚やテレビを置いてみて、どこにあれば使いやすいかを決めてから、壁ごとの立面図にmmで書き込んで渡すやり方です。この経緯は一条工務店のコンセント位置は、悩む場所だけ無料の3D CADで家電を並べて決めたに書きました。
問題はその次でした。指示を出しても、返ってきた図面がそのとおりになっているとは限りません。
そこでこの測り方を使っていました。返ってきた図面を貼って、1マスを91mmにそろえて、指示した箇所を1つずつ測る。数字が違えば、その場で「ここが1,720mmになっていますが、1,620mmでお願いします」と書いて送れます。

子供部屋のコンセント位置を測っているところ。壁の中心から左340mm・右120mmだったものを、どちらも200mmにそろえてほしいと依頼しました。
上の画面は子供部屋です。壁の中心に対して、コンセントが左に340mm、右に120mmという位置になっていました。左右対称にしたかったので、どちらも200mmにしてくださいと数字で依頼しています。
脱衣室の物干し金物も同じやり方です。壁とのあいだを300mm、金物どうしを400mmと決めて、修正後の図面でそのとおりになっているかを測って確かめました。
反映漏れそのものの話は一条工務店の打ち合わせ内容が図面に反映されない?我が家で起きた9件の反映漏れと対策にまとめています。あの記事で「照合した」と書いているのが、この測り方のことです。
測って指摘しても、直らないものがある
この方法で万事解決というわけではありません。わが家には、測って指摘したのに直らなかったものがあります。コンセントです。
図面と違うと分かったので修正を依頼しましたが、次の図面でも直っていませんでした。理由が分かったのは建築中で、コンセントは壁の中の柱の位置に合わせて決まっていました。建築中に撮った写真と一緒に一条工務店のコンセント位置は、悩む場所だけ無料の3D CADで家電を並べて決めたに書いています。
測ることが無駄だったとは思っていません。ただ、測って指摘すれば必ず直る、というわけでもありません。
もうひとつ。図面は設計の意図であって、完成した家ではありません。図面上で測れるのは、作図された線の距離です。施工の誤差も、下地の都合による調整も、そこには入っていません。
使いどころは、「必要な隙間が確保されているか」「左右がそろっているか」「指示した数字と違っていないか」の確認です。設計の答え合わせであって、完成予想ではありません。
こんな人は注意
- 打ち合わせが終わり、図面の修正がもうできない段階の人:測っても直せません。この方法が効くのは着工前です
- 1mm単位の数字が要る人:拡大率をぴったり合わせられないので、測った部分に1%ほどの誤差が残ります
- 図面をPDFのままでしか持っていない人:画像として貼れる形にする手間が先に必要です
まとめ
- 一条の図面は1マス910mm。物差しで91mmになるまで拡大すれば、読んだ値の10倍が実寸のmmになる
- 専用のアプリは要らない。画像の拡大縮小と物差しがあればできる
- ピンチ操作ではぴったり合わせられず、1マス90mmから91mmのあいだで妥協している。誤差は1%ほど
- この方法で測った窓の幅は2,250mm。1年半後に現物を測ったら2,253mmだった
- 長い距離はマスを数えて、はみ出した分だけ測ると誤差が小さくなる
図面を受け取ってから次の打ち合わせまでの2週間、聞けないまま待つのか、自分で測って確かめるのか。その差が、修正を依頼できる回数の差になります。
よくある質問
Q. どのアプリを使えばいいですか。
物差しの機能と、画像を貼って拡大縮小できる機能があれば何でも構いません。私はiPadのGoodNotesを使っています。
Q. 1マスが910mmなのは一条工務店だけですか。
910mmは尺モジュールと呼ばれる寸法で、他の会社でも広く使われています。ただしメートルモジュール(1マス1,000mm)の会社もあるので、自分の図面のグリッドが何ミリなのかは先に確認してください。そこを間違えると全部ずれます。
Q. 縮尺が書いてあるのだから、それを使えばいいのでは。
わが家の平面図はS=1/80と書かれています。紙に印刷すればその縮尺で測れますが、画面上では表示倍率が変わってしまいます。マスを基準にすれば、拡大率がいくつでも関係なくなります。
Q. どのくらいの精度で測れますか。
1マスを90mmから91mmのあいだに合わせているので、測った部分に1%ほどの誤差が出ます。ただしマスを数えて、はみ出した分だけを測れば、誤差がかかる長さが短くなります。2,250mmを丸ごと測ると25mm前後です。マスを数えて、はみ出した部分だけを測れば、そのぶん小さくなります。
Q. 測って違いを見つけたら、どう伝えればいいですか。
わが家は「ここが1,720mmになっていますが、1,620mmでお願いします」というように、現状の数字と希望の数字を並べて送っていました。数字で書けば、やり取りが1往復で終わります。