一条工務店の資金計画書で「抵当権設定費用」が空欄だった話|登記と火災保険で実際に払った額

一条工務店の資金計画書で「抵当権設定費用」が空欄だった話|登記と火災保険で実際に払った額


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家づくりでいちばん見えにくいのが、建物そのもの以外に出ていくお金です。

わが家は一条工務店から資金計画書をもらった時点で「借入諸費用」という欄を見ていました。ただ、その欄には金額が入っていない項目がいくつもありました。

あとから分かったのは、その空欄には2種類あったということです。0円だから空欄になっている項目と、まだ決まらないから空欄になっている項目です。後者の代表が抵当権設定費用で、実際に払ったのは119,424円でした。

この記事では、司法書士に払った登記費用171,324円と火災保険16,351円の実額を、資金計画書の参考価格と並べて出します。

この記事の結論

  • 司法書士に払った登記費用は合計171,324円。所有権保存まわり51,900円、抵当権設定まわり119,424円
  • 資金計画書の空欄には、「0円だから空欄」と「まだ決まらないから空欄」の2種類があった。用意しておくべきは後者
  • 登記は3つに分かれていて、支払い先も支払い元も違う。表題登記76,500円は一条に預けていた預り金から精算された
  • 火災保険は参考価格100,000円に対して実額16,351円。ただし5年・地震保険なし・家財なしという選択の結果で、安く済んだという話ではない

資金計画書の「借入諸費用」に書いてあったこと

一条の資金計画書には、建物や土地とは別に「借入諸費用」という区分がありました。並んでいたのは、火災保険料・貸付手数料・抵当権設定費用・金消契約印紙代・団体信用生命保険料・保証料です。

このうち金額が入っていたのは火災保険料と貸付手数料の2つだけでした。残り4つは空欄です。

空欄の意味は1つではなかった

引き渡しまで終えてから振り返ると、空欄の意味は2つに分かれていました。

空欄の理由該当した項目用意すべきお金
0円だから空欄保証料、団体信用生命保険料、金消契約印紙代なし
まだ決まらないから空欄抵当権設定費用119,424円かかった

同じ空欄でも意味が正反対です。気をつけるべきなのは後者だけで、そこを見分けられるかどうかが資金計画の精度になります。

空欄が0円だったのは、銀行の料金体系のせいだった

わが家が借りたのは住信SBIネット銀行(2026年8月3日からドコモSMTBネット銀行に商号変更)です。ネット銀行の住宅ローンは、保証料0円・事務手数料は借入額の2.2%という組み合わせが定番になっています。

実際、契約内容の控えを見返すと、並んでいるのは借入名義人・借入額・事務取扱手数料・印紙代・団体信用生命保険等・住宅融資保険といった項目で、「保証料」という欄がそもそもありません。保証会社を使わない商品だからです。

保証料は誤解されやすい費用です。連帯保証人を立てる代わりに保証会社へ払うお金で、高額な住宅ローンの連帯保証人を親族に頼むのが難しくなったために広まった仕組みです。返済できなくなったときは、保証会社が銀行へ残債を一括で払います(代位弁済)。

ただし、これで自分の借金が消えるわけではありません。返済先が銀行から保証会社に変わるだけで、返済義務はそのまま残ります。金額はメガバンクなどで数十万円の一括前払い、または金利0.2%上乗せというのが一般的です。

団信も0円でした。同じ控えにある「上乗せ保険料率」は0.000%。3大疾病保障特約(50%保障)・先進医療特約に加え、長期就業不能見舞金特約付きの就業不能保障まで付いていて、それでいて金利への上乗せはゼロです。別途保険料を払っていないので、資金計画書に金額が載りようがなかったわけです。金消契約の印紙代も、実際に0円でした。

つまりこの3つが空欄なのは、その銀行を選んだ結果です。裏返すと、事務手数料が数万円で済む「定額型」の銀行なら、金利が0.1〜0.2%上乗せされるか、保証料が別に必要になります。

定率型2.2%だと、借入額によって手数料はこう変わります。

借入額(一般的な例)事務手数料
2,000万円440,000円
3,000万円660,000円
4,000万円880,000円

※上の3つは一般的な借入額で計算した例です。注文住宅(土地あり)の所要資金の平均は3,936万円(フラット35利用者調査・2024年度)なので、手数料だけで60万円を超えるのは珍しくありません。

しかもこのタイプは自分で選べるとは限りません。わが家が借りた銀行は定率型しか扱っていませんでした。もう一つ、一括前払いの保証料は繰上返済で未経過分が戻ることがありますが、事務手数料は戻りません

銀行を決めた時点で、手数料と保証料の組み合わせもほぼ決まります。安さだけで選ばず、金利まで含めた総額で比べてください。

登記は3つに分かれていた

家を建てると登記は3回発生します。担当する人も、お金の出どころも違います

登記の種類何をするか担当わが家の金額
表題登記建物の情報を登記簿に新しく作る土地家屋調査士76,500円
所有権保存登記誰の建物かを記録する司法書士51,900円
抵当権設定登記銀行の担保を記録する司法書士119,424円

表題登記の76,500円は、一条に預けてあった預り金から精算されました。自分で振り込んでいないので、支払った実感がありません。資金計画書の参考価格は100,000円だったので、23,500円下振れしています。

残る2つは司法書士から請求書が届き、引き渡し前に自分で支払いました

司法書士の費用が2つの欄に分かれていた理由

資金計画書を見返すと、司法書士に関わる費用は離れた2か所に載っていました。

資金計画書の欄項目参考価格
借入諸費用抵当権設定費用空欄
預り金精算費用司法書士100,000円

分け方には理由があります。所有権保存登記は、ローンを借りなくても必要です。現金で建てても、自分の名義にする手続きは要ります。一方の抵当権設定登記は、ローンを借りる人にだけ発生します。だから借入諸費用のほうに入っている、という整理です。

つまり「司法書士に払う額」を1か所で見ることはできませんでした。参考価格100,000円は所有権保存登記の分だけで、実際に司法書士へ払った171,324円の全体に対応する数字ではありません(書面にそう明記されているわけではなく、金額の並びからの推定です)。

そしてもう一つ。「預り金精算費用」の欄にありながら、司法書士への支払いは預り金からは出ませんでした。表題登記の76,500円は預り金から精算されたのに、司法書士の分は自分で振り込んでいます。欄の名前と、実際にどの財布から出るかは一致しないということです。

所有権保存登記まわりは51,900円だった

参考価格100,000円に対して、実額は51,900円でした。内訳はこうなっています。

項目金額
所有権保存登記 司法書士報酬20,000円
所有権保存登記 登録免許税17,600円
住宅用家屋証明書 司法書士報酬10,000円
住宅用家屋証明書 発行手数料1,300円
消費税3,000円
合計51,900円

住宅用家屋証明書は市区町村で取る書類です。地味な存在ですが、これがないと登録免許税の軽減税率が使えません。わが家は取得の代行を司法書士に頼みました。

新築の登録免許税は「まだ存在しない評価額」で計算する

調べていて意外だったのがここです。

登録免許税は、建物の固定資産税評価額に税率をかけて計算するのが原則です。ところが新築の建物には、登記の時点で評価額がまだありません。固定資産税は毎年1月1日時点の建物に課税され、新年度の評価額が公示されるのは4月1日。新築の翌年4月まで、評価額は存在しないのです。

そこで所有権保存登記では、各法務局が定めた「新築建物課税標準価額認定基準表」が使われます。建物の種類・構造ごとに決められた1㎡あたりの単価に床面積を掛けた額が、課税のもとになります。

市の職員が家屋調査に来て建物を評価するのは、この登記のあとです。翌年から払う固定資産税のための調査で、登記のときの登録免許税とは別の数字で動いています。「建物を見てもいないのに税額が出せるのか」と思ったら、見ずに出せる仕組みでした。

税率は住宅の条件で変わります。

条件所有権保存登記の税率
本則0.4%
住宅用家屋証明書あり0.15%
長期優良住宅・認定低炭素住宅0.1%

いずれも2027年3月31日までの登記申請が対象の軽減措置です。適用期限は引き渡し日ではなく登記の申請日で判断されるので、3月末の引き渡しは余裕を見ておいたほうが安全です。

自分の家でいくらになるかは、認定価格を当てはめれば概算できます。

法務局の認定価格0.15%の場合0.1%の場合
1,000万円15,000円10,000円
1,500万円22,500円15,000円
2,000万円30,000円20,000円

単価は法務局ごとに違うので、金額は地域で変わります。そして課税のもとになるのは工事費ではなく床面積です。1億円かけた家でも、床面積が同じなら登録免許税は同じになります。

ちなみに、ここでいう床面積は登記上の床面積です。ハウスメーカーが見積で使う「施工面積」は別のルールで、わが家は施工面積のほうで想定外の加算に気づいたことがあります。その話は一条工務店で平屋にした本当の理由|施工面積の半分課金される「パラペット」に自分で気づいた話に書いています。

抵当権設定登記は119,424円だった

そして本題です。資金計画書で空欄だった項目の実額が、この119,424円でした。

中身は登録免許税・司法書士報酬・実費の3つで、金額としては司法書士報酬が大半を占めます。

抵当権設定登記の登録免許税は、債権額(借入額)× 0.4%。借りる額そのものが計算のもとになります。こちらもマイホームなら軽減があり、住宅用家屋証明書を添付すれば0.1%。本則の4分の1です。適用期限は所有権保存登記と同じく2027年3月31日までの申請です。

借入額抵当権設定の登録免許税(0.1%)
2,000万円20,000円
3,000万円30,000円
4,000万円40,000円

つまり、この費用は借入額が決まらないと計算できません。資金計画書を作る段階では、どこの銀行でいくら借りるかが決まっていないので、書きようがなかったわけです。一条が手を抜いたのではなく、構造上そうなる項目でした。

とはいえ、読む側としてはこの空欄だけは0円と受け取ってはいけないということになります。登録免許税そのものは上の表のとおり数万円ですが、ここに司法書士報酬と実費が乗ります。10万〜15万円程度は見ておくと資金計画が崩れません。

建てる会社をこれから決める人へ

資金計画書に金額が入らない項目があるのは、一条工務店に限った話ではありません。ただ、どこまでが概算でどこからが実額なのかは、1社ぶんだけ見ていても判断がつきませんでした。他社の資金計画も並べておけば、空欄の意味の違いにもっと早く気づけたはずです。

複数のハウスメーカー・工務店にまとめて資料請求できるサービスがあります。届くのは各社の一般的なカタログが中心で、これだけで会社を決められるものではありません。比較の出発点として使うものです。建てる時期と建築予定エリアがある程度決まっている人向けです。

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火災保険16,351円は「安く済んだ」話ではない

火災保険は、契約先を自分で探しました。一条から提携先の見積を郵送してもらい、それとネット経由の保険を比べたうえで、ネットのほうを選んでいます。

項目内容
保険期間5年・一括払
火災、落雷、破裂・爆発9,402円
風災、雹災、雪災7,449円
証券ペーパーレス割引▲500円
保険料合計16,351円
家財なし
地震保険なし
水濡れ・盗難・破損汚損なし

資金計画書の参考価格は100,000円でした。実額はその6分の1以下です。

ただ、これは一条の参考価格が過大だったという話ではありません。参考価格のほうは家財や地震保険まで含んだ標準的な設計と考えるのが自然で、わが家は補償を削って安くしただけです。家財補償がないので、家具や家電が焼けても保険金は出ません。

同じ数字を目標にする前に、何を外した結果の金額なのかを見てください

なお地震保険は付けていません。耐震等級3・平屋という条件で必要性を感じなかったのですが、この記事を書くために調べ直したところ、判断の前提そのものが間違っていました。ここは1本の記事になる分量なので、別に書きます。

こんな人は注意

  • 火災保険を安くしたい人。この記事の16,351円は地震保険も家財補償も外した金額です。同じ数字を目標にしないでください
  • 自己資金がぎりぎりの人。登記費用はローンの実行より先に請求が来ることがあり、現金で用意しておく必要があります。わが家は引き渡し前に171,324円を支払っています
  • 手数料の安さで銀行を選ぼうとしている人。事務手数料・保証料・金利はセットで設計されていて、片方が安い銀行はもう片方で回収します。総額で比べてください
  • 引き渡しが3月末になりそうな人。登録免許税の軽減は、引き渡し日ではなく登記の申請日で判断されます

まとめ

資金計画書の「借入諸費用」で空欄だった項目のうち、保証料・団信・印紙代は実際に0円でした。一方で抵当権設定費用は119,424円かかっています。

空欄には「0円だから」と「まだ決まらないから」の2種類がある。この見分けがつけば、資金計画書はかなり読めるようになります。

司法書士への支払いは、所有権保存登記まわり51,900円と合わせて合計171,324円。火災保険は参考価格100,000円に対して16,351円でしたが、地震保険と家財補償を外した結果の金額です。数字だけを持ち帰らないようにしてください。

外構工事の枠取り200万円がどう動いたかは一条工務店の見積の「外構工事」は枠取り200万円だった|実際は約394万円かかったに書いています。

よくある質問

Q. 抵当権設定費用は誰に払うのですか。

A. 司法書士です。銀行やハウスメーカーではありません。わが家は司法書士から請求書を受け取り、直接振り込みました。登録免許税も司法書士がまとめて納付します。

Q. 保証料が0円の銀行のほうが得ですか。

A. 一概には言えません。保証料0円の銀行は事務手数料が借入額の2.2%になっていることが多く、どちらかが安ければどちらかが高いという設計です。金利まで含めた総支払額で比べてください。

Q. 登記費用は住宅ローンに組み込めますか。

A. 諸費用まで含めて借りられるローンもあります。ただし支払いのタイミングがローン実行より前に来ることがあるので、一時的に現金が必要になるかどうかは銀行に確認してください。

Q. ローンを完済したら抵当権はどうなりますか。

A. 自動では消えません。抵当権抹消登記という別の手続きが必要で、こちらにも登録免許税と司法書士報酬がかかります。設定時ほど高額ではありませんが、将来の費用として頭の隅に置いておくと安心です。

Q. 住宅用家屋証明書は自分で取れますか。

A. 市区町村の窓口で取得できる書類なので、自分で取ることもできます。わが家は司法書士に代行を頼み、その分の報酬10,000円がかかりました。登記の申請前に必要なので、自分で動くなら日程に余裕を持たせてください。

Q. 火災保険はハウスメーカーの提携先で入る必要がありますか。

A. 必要ありません。わが家は一条に提携先の見積を手配してもらったうえで、比較してネット経由の保険を選びました。見積を取ること自体は頼めるので、比較の材料として使わせてもらうのがおすすめです。

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