一条工務店の床冷房とさらぽかを止めて、エアコン1台で一晩過ごした|8時間22分で戻した理由

一条工務店の床冷房とさらぽかを止めて、エアコン1台で一晩過ごした|8時間22分で戻した理由


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以前、一条工務店の家で使わなくなった家電3つ|さらぽか+高断熱で温度も湿度も“家まかせ”にという記事を書きました。エアコンも、除湿機も、加湿器も出番がなくなった。温度も湿度も、家まかせで成立していたからです。

その「家まかせ」を、一晩だけやめてみました。床冷房を止め、さらぽかの除湿を止め、LDKのエアコン1台だけで夜を越す。

8時間22分でやめました。

設定した26℃には、ちゃんと届いていたのに、です。

先に結論

深夜1時から5時の平均で、こうなりました。

平常の夜エアコン1台の夜
LDKの室温25.8℃26.0℃
子ども部屋の室温27.8℃29.2℃
家じゅうの絶対湿度12.0〜12.715.1〜18.6

温度はどちらの夜もバラついています。決定的に違ったのは湿度でした。

部屋ごとの温度と絶対湿度の比較

平常の夜、部屋の温度は25.8〜27.8℃とバラバラなのに、絶対湿度だけは12.0〜12.7に収まっています。空気に含まれる水分量は、どの部屋でもほとんど変わりません。 エアコンに切り替えた夜は、これが15.1〜18.6にバラけました。

絶対湿度というのは、空気1立方メートルに何グラムの水分が入っているかという数字です。相対湿度(%)は室温によって変わってしまうので、温度の違う部屋どうしを比べるときはこちらを使います。

ふだん使う相対湿度で同じ夜を見ると、平常の夜は45〜53%、エアコン1台の夜は62〜67%でした。幅だけ見ると、平常の夜のほうがバラついているように見えます。 けれどこれは湿度のムラではなく、部屋ごとの温度差が数字に出ているだけです。同じ水分量でも、暖かい部屋ほど相対湿度は低く表示されます。

なぜ、使っていないエアコンを動かしてみたのか

このエアコンは前の家から移設したもので、新居ではほとんど動かしていませんでした。冬は一度も必要を感じず、夏も風を最弱にして数十分で「寒いから切って」と言われる。それが我が家のエアコンです。

だからこそ確かめたいことがありました。さらぽかは、本当に必要だったのか。

全館空調を付けるかどうかは、それなりの金額の判断です。これから建てる人には「エアコンを何台か置けば済むのでは」という選択肢が当然あって、我が家はそれを比べずに決めています。比べる材料は、今の家にあります。だったら一度、止めてみればいい。

実験の条件

  • エアコンはLDKに1台のみ。三菱電機の18畳用(5.6kW・単相200V)
  • 寝室にも子ども部屋にもエアコンはありません
  • 設定は冷房26℃・しつど50%・風速自動
  • 床冷房は停止。さらぽかのデシカントは「換気」に変更(除湿だけ止め、換気は継続)
  • 扉はすべて閉めたまま。ふだんの就寝時と同じ
  • 子ども部屋には子ども2人と大人1人の計3人が就寝

エアコンの「A.I.自動」は使いませんでした。冷房・暖房・除湿・送風を機械が切り替えるため、送風に入ると冷やしも除湿も止まってしまい、消費電力だけ下がった数字が残ります。それでは比較になりません。

温度は、ちゃんと下がった

21時23分に設定を確定して、21時43分にはLDKが26.2℃。20分で目標に届きました。 高断熱の家に18畳用ですから、当然といえば当然です。

その後もLDKは25.2〜26.3℃で安定していました。エアコンは、温度に関しては仕事をしています。

湿度は、25分しか下がらなかった

問題はここからでした。

LDKの室温と絶対湿度の推移

絶対湿度が最も下がったのは21時48分。設定を確定してから25分後です。 そこから先は、上がる一方でした。室温は26℃前後を保っているのに、湿度だけが上がっていく。

理由は、エアコンが温度を目標に動いているからです。設定温度に届くと圧縮機がゆるみ、熱交換器が冷えなくなる。冷えなければ結露しないので、除湿も止まります。エアコンにとって除湿は、冷やしているあいだの副産物でした。

グラフをよく見ると、23時以降は絶対湿度が1時間ほどの周期でギザギザに揺れています。冷やしては止まり、を一晩じゅう繰り返していた跡です。

LDKは風が冷たく、子ども部屋は暑くてじめじめしていた

LDKは、エアコンの風が冷たくて不快でした。26℃なのに寒く感じる。一方その時刻、子ども部屋は29.4℃・湿度64%です。同じ家の中で、真逆のことが起きていました。

家族の体感も割れました。私は暑さよりじめじめのほうが強く、妻は暑さのほうが強い。長女は両方でした。次女だけは影響なしです。私は目覚めませんでしたが起床時に発汗していて日中も眠く、妻は夜中に起きて眠り直せず、長女は明け方に一度起きて、再入眠してから30分でまた起きました。長女のシーツは乱れていて、頭をよくかいていました。

数字には出ないところも変わりました。部屋干しの洗濯物が、ウエストなど厚い部分だけ濡れたまま。バスマットも乾いていません。 一条工務店の脱衣室「物入」はカビる?梅雨どきに乾いた服を片付ける収納を実測した正直レビューで書いたとおり、我が家は乾くことを前提に暮らしを組んでいます。

8時間22分でやめた

子ども部屋の室温と湿度の推移

4時20分、子ども部屋が29.4℃に達しました。実験前に決めていた中止ライン28℃を、すでに1.4℃超えています。

5時33分、床冷房とデシカントを元に戻し、エアコンを止めました。

28℃を下回ったのは9時18分。復旧から3時間44分かかっています。 しかもその途中、6時44分に妻が「暑い」と言ってエアコンを1時間だけ再稼働させました。戻せばすぐ快適になる、ということはありませんでした。

なぜ28℃を基準にしたのか。子ども2人と大人1人が、扉を閉めて寝る部屋だからです。そして、結果を見てから言い訳しないよう、始める前に決めておきました。28℃を超えていたのは23時ごろからでしたが、全員が寝ていたため、気づいたのは朝でした。子どもがしんどそうだったこと、自分自身も汗だくで日中に眠気が残ったこと。これ以上続ける理由がない、と判断しました。

電気は、エアコン1台のほうが少なかった

ここは書いておかなければいけない結果です。

夜間の消費電力量の比較

外気温がほぼ同じ夜を3つ選んで、22時から翌5時の7時間で比べました。平常の3夜は平均8.11kWh、エアコン1台の夜は6.40kWh。1.71kWh、21%少ない。 夜間の実質単価で換算すると、一晩あたり約40円です。

安いというのは、本当でした。

しかも条件は実験の夜のほうが厳しかった。外の絶対湿度は平常夜の18.7〜19.4に対して21.9。前日の日中は曇りで発電量が39.9kWh(平常日は56〜60kWh)しかなく、日射で家に入る熱も少なかったはずです。有利な条件だったのに、一晩もちませんでした。

ただしこれは家全体の消費電力量です。床冷房だけの数字でも、エアコンだけの数字でもありません。エアコン単体の電気代については一条工務店の床冷房、電気代はいくら増えた?4月と7月を1日ごとに実測した結果のほうで、月単位の比較をしています。

エアコンの場所は、間取りの段階で決まっていた

我が家のエアコンはLDKにあります。前の家のLDK用として買ったものをそのまま持ってきたので、この家を1台でまかなうことを前提に選んだ機種でも、選んだ場所でもありません。

エアコン1台で家中をまかなっている一条施主の方々は、これをやっています。人がいない開放的な場所に置き、平屋なら各部屋への通路に向ける。冷房23℃で風量は最弱にして、熱交換器を冷やし続けて除湿を止めない。扉は少し開けるか、部屋どうしを風でつなぐファンを付ける。

我が家はそのどれも満たしていません。そして満たせません。LDKは家族が過ごす部屋なので、23℃・風量最弱にしたら、そこにいる人が耐えられない。

つまりこれは運用の失敗ではなく、間取りを決めた時点で決まっていたことでした。エアコン1台でいくなら、その置き場所と風の通り道を設計に織り込む必要があります。

空調の方式を決める前に

空調の方式は、内装や設備よりずっと早い段階で決まります。全館空調にするのか、エアコンを何台か置くのか。この判断は会社を選ぶ前から始まっていて、あとから変えるのが最も難しい部分です。

複数社の間取りプランと資金計画を並べておけば、方式ごとの違いを自分の土地と家族構成に当てはめて比べられます。

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この不快さは、我が家の基準での不快さです

ここは誤解されたくないので書いておきます。

我が家は1年半、夏は26〜27℃・湿度50%前後で寝てきました。それが基準になっています。29.4℃・64%を不快だと感じたのは、そこからの落差が大きかったからです。

同じ29.4℃・64%でも、それをどう感じるかは、その人がどんな環境で寝てきたかによって変わります。この記事に書いたのは、我が家の基準で測った不快さです。

だからこれは「エアコンでは無理」という話ではありません。一度この環境に慣れると、戻るのが難しくなる、という話です。

先に書いておきたいこと

読んでいて浮かぶであろう疑問に、先に答えておきます。

除湿モードは試していません。 理由は3つ。再熱除湿は消費電力が増えて比較が濁ること、再熱では室温が下がらないので29.4℃には効かないこと、今回は「暑くて湿度も高い」状況で除湿モードが向かないことです。

扉は開けていません。 途中で開ける案も出ましたが、条件を変えると前半と後半で別の実験になり、連続したデータとして読めなくなります。そもそも我が家は普段から扉を閉めて寝ています。脱衣室で洗濯物を乾かしている除湿機の送風音が、開けたままだと寝室まで届いてしまうからです。だからこれは「何も工夫しない場合」の答えです。

温度差は普段からあります。 平常の夜もLDKと子ども部屋には2℃前後の差があり、今回それが3.3℃に開きました。さらぽかでも部屋ごとの温度ムラは消えていません。 消えていたのは湿度のムラのほうでした。

まとめ

  • エアコンは設定温度に20分で到達した。温度に関しては問題なかった
  • 除湿が効いたのは最初の25分だけ。 設定温度に届いた時点で、冷やすのも除湿するのも止まる
  • 平常時、家じゅうの絶対湿度は12.0〜12.7でそろっている。エアコン1台では15.1〜18.6に割れた
  • 温度をそろえていたのではなく、湿度をそろえていた。 どの部屋もほぼ同じ湿り気に保つのが、さらぽかの仕事だった
  • 夜間の消費電力量は21%少なかった(約40円)。安いのは本当
  • それでも8時間22分で戻した。戻してから平常に戻るまでさらに3時間44分
  • エアコン1台でいくなら、置き場所と風の道を間取りの段階で決める必要がある

「涼しくする」と「快適にする」は、同じことではありませんでした。

よくある質問

Q. さらぽかを止めれば電気代は下がりますか?

我が家の一晩の比較では、家全体の消費電力量が21%下がりました。ただし7時間の測定なので、季節を通した金額に掛け算はできません。快適性が大きく変わることとセットで考える必要があります。

Q. エアコン1台では全館は無理ということですか?

我が家の条件では無理でした。ただし成功している一条施主の方は実際にいて、その方々は設置位置・設定温度・風量・扉の扱いを設計段階から組んでいます。条件を満たさないエアコン1台では無理だった、というのが正確なところです。

Q. なぜ除湿モードを使わなかったのですか?

再熱除湿は消費電力が増えるため、電気代の比較が成立しなくなります。加えて再熱除湿は室温を下げないので、29.4℃まで上がった部屋には効きません。

Q. 中止の基準を28℃にしたのはなぜですか?

子ども2人と大人1人が、扉を閉めて寝る部屋だからです。結果を見てから基準を動かさないよう、実験の前に決めておきました。

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