一条工務店のSADIOT LOCK2、壊れても自分で交換できない理由|1年使って気づいた『縛られる』デメリット


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一条工務店の標準スマートロック「SADIOT LOCK2」を1年使ってきました。1年使った正直レビュー記事では、解錠精度や設定の細かい話まで書きましたが、今回は別の角度から——「このスマートロック、壊れたら自分で交換できるんだろうか?」という一つの不安について、正直に書いておきたいと思います。

結論を先に言うと、SADIOT LOCK2は今でも満足しています。ただし「壊れても自分では交換しにくい」という、建てる前には気づけなかったデメリットがありました。

満足はしている。でも1年で気づいた一つの不安

最初に正直に言っておくと、SADIOT LOCK2には今でも満足しています。1年使って締め出しは一度もなく、近づくだけで解錠されるハンズフリーの便利さは、もう手放せません。

ただ、使っていくうちに一つだけ「これは盲点だったな」と気づいたことがあります。それは、このスマートロックは壊れても自分で別の製品に交換できない、ということです。

きっかけは、使い始めて半年ほど経った頃でした。鍵の施錠・解錠の動きが少し重く、何かに引っかかる感じが出てきたんです。確認してみると、本体がドア面から外れる方向にわずかにズレていました。

入居半年でズレた当時の下側ロック。ドア面とのあいだに隙間ができている

横から見ると、ロック本体とドア面のあいだに隙間ができているのが分かります。これが入居半年でズレてしまった、当時の下側のロックです。

このときは一条工務店に連絡してすぐ修理対応してもらい、その後は問題なく使えています(このあたりの詳しい話は1年使った正直レビュー記事に書いています)。

修理後・現在の下側ロック。ドア面にしっかり収まっている

こちらが修理後、現在の下側ロックです。ドア面にしっかり収まり、隙間も解消されました。

修理自体はスムーズでした。でもこの一件で、ふと考えてしまったんです。「もしこれが保証期間を過ぎて壊れたら?」「市販のもっと新しいスマートロックに替えたくなったら?」——そのとき、自分で簡単に交換できるんだろうか、と。

しかも我が家のドアは上下に2つロックがある仕様で、上側の本体には元から少し隙間があり、今のところ問題はないものの経過観察中です。「上側もいつか同じようにズレてこないかな?」という小さな不安も、頭の片隅にあります。

現在の上側ロック。元から少し隙間があり経過観察中

現在の上側ロックです。よく見ると、ドア面とのあいだにわずかな隙間が残っています。

なぜ施主が自由に交換できないのか

調べてみると、自分で交換するのが難しい理由は、電源の取り方にありました。

市販のスマートロックの多くは電池駆動・工事不要

一般に市販されているスマートロック(SwitchBotやSESAMEなど)の多くは、電池で動きます。両面テープやネジでドアに貼り付けるだけで、配線工事は必要ありません。だから電池が切れたら自分で交換できるし、別の製品に買い替えたくなれば、剥がして付け替えるだけで済みます。

一条のSADIOT LOCK2は壁内配線からの常時給電

一方、一条工務店のドア(ダンジュ)に標準搭載されるSADIOT LOCK2は、電池ではなく常時給電の特別仕様です。電池交換が一切不要という大きなメリットがある反面、その電源は壁の中を通る配線から供給されています。つまり、ドアにポンと貼り付けてあるだけの後付け品とは、根本的に構造が違うわけです。

実際、ドアを開けて蝶番側を見てみると、ドア本体と建物側のあいだに、保護チューブで覆われた給電配線が渡っているのが分かります(この記事の冒頭の写真がそれです)。

給電配線の寄り。保護チューブで覆われている

この配線が壁の中を通ってロックに電気を送っているため、電池交換が不要になっています。便利な仕組みである一方、ドアと建物が文字どおり「線でつながっている」状態でもあるわけです。

アプリの電池残量画面。常時給電のため上側・下側とも常に満タン表示

アプリで電池残量を見ても、常時給電なので上側・下側ともいつも満タンのまま。市販版が定期的な電池交換を必要とするのとは対照的です。

壁の中の配線を扱う作業には「資格の区分」がある

ここで関わってくるのが、電気工事のルールです。日本では、コンセントに挿すだけ・差込プラグをつなぐだけといった作業は「軽微な工事」として資格がなくてもできます。電球の交換や、プラグの差し替えがこれにあたります。

ところが、壁の中の電線そのものをつないだり外したりする作業や、配線器具を壁に取り付けて電線を接続する作業は、電気工事士という国家資格を持つ人でなければ行えません。無資格でやると法律違反になり、罰則も定められています。

SADIOT LOCK2の常時給電が壁内配線から来ている以上、これを取り外して別の製品に替えるには、壁の中の配線を扱う作業が発生すると考えられます。だとすれば、その作業は「軽微な工事」の範囲を超え、電気工事士の資格が必要になる可能性が高いと考えられます。

※この点は、配線方式から私が推測したものです。一条工務店に正式に確認したわけではないので、実際に交換を検討される際は、必ず一条工務店にご相談ください。

市販スマートロック(SESAME/SwitchBot)との「自由度」の違い

「自分で交換できる/できない」という観点で、市販のスマートロックと比べてみます。なお、私が実際に使っているのはSADIOT LOCK2だけで、SESAMEやSwitchBotは使っていません。以下はメーカーが公開しているスペックをもとにした比較です。

SADIOT LOCK2(一条標準)SESAME 5SwitchBot ロック
電源常時給電(壁内配線)電池電池
取り付けドアに組み込み済み両面テープ等で後付け両面テープで後付け
自分で交換難しい(資格が必要と考えられる)自分で可能自分で可能
電池交換不要必要必要

表にすると分かりやすいのですが、市販品は「電池交換の手間はあるが、壊れたり飽きたりしたら自分で剥がして付け替えられる」。SADIOT LOCK2は「電池交換は一切不要で快適だが、その代わり壊れたら一条工務店に頼るしかない」。

どちらが良い悪いではなく、“手軽な常時給電”と“自由な載せ替え”はトレードオフの関係にある、ということです。私はこのトレードオフがあること自体を、建てる前は意識していませんでした。

「もっと快適に使いたい」のに乗り換えられないもどかしさ

交換できないことは、日々のちょっとした不便にもつながっています。

たとえば我が家では、ロックをApple HomeKitに連携させているので、施錠はHomePodに「鍵を閉めて」とお願いできて便利です。ところが解錠は、少し事情が複雑です。

解錠については、Apple側のセキュリティ設計で「操作するデバイスのロックが解除されていること」が条件になっています。そのため、

  • Apple Watch:手首に着けている間はロックが解除された状態なので、Siriに「鍵を開けて」と頼めばそのまま解錠できます。
  • iPhone:画面がロックされていると、まずFace IDなどでロックを解除しないとSiriは解錠してくれません。HomePodに話しかけるだけでは「続きの操作はiPhoneまたはiPadで行う必要があります」と返ってきて、開きません。

これはSADIOT LOCK2に限った話ではなく、Apple HomeKitの共通仕様です。Appleのサポートにも、Siriにドアの鍵を開けてもらうにはデバイスのロックを解除しておく必要がある、と明記されています。鍵という重要なものを、誰でも声だけで開けられないようにする配慮なので、これ自体はむしろ安心できる仕組みです。

問題は、Apple Watchを着けていないときです。その場合、解錠の手段は「iPhoneのロックを解除してアプリで解錠する」「付属のリモコンキーを使う」「玄関まで行って手で開ける」の3択になります。たとえば子どもが帰ってきてリビングから開けてあげたいときは、付属のリモコンキーを使うことが多いです。

SADIOT LOCKの付属リモコンキー

ところが、このリモコンキーが一世代前のガジェットのようで、反応が悪いことが多いんです。リビングから何度か押しても開かず、結局は玄関まで行って手で開ける、ということがよくあります。

「リモコンの反応がもっと良い製品や、スマートな解錠方法のある新しいスマートロックを試してみたい」——そう思っても、配線一体型のSADIOT LOCK2では気軽に載せ替えられません。この“替えたくても替えられない”もどかしさが、日常の小さなストレスとして積み重なっていきます。

これから建てる人へ|標準スマートロックを選ぶ前に知っておきたいこと

もしこれから一条工務店で建てる方が標準のスマートロックを検討しているなら、私からお伝えしたいのは「便利かどうか」だけでなく、“数年後に乗り換えられるか”という視点も持っておくと後悔しにくいということです。

スマートロックは進化が速い分野です。今は指紋認証や顔認証に対応した製品も増えています。SADIOT LOCK2は指紋・暗証番号には対応していないので、数年後に「やっぱり指紋認証が欲しい」と思っても、市販品のように気軽には替えられません。

実は私は新しいガジェットが好きで、いろいろ試したいタイプです。最近では「Appleホームキー」に対応したスマートロックも登場してきました。これは、iPhoneのApple Walletアプリに鍵を登録して、iPhoneやApple Watchをドアにかざすだけで解錠できるという機能です。2026年春には、Aqaraの「J200」という日本初のAppleホームキー対応スマートロックが発売され、まるでモバイルSuicaで改札を通るような感覚で解錠できると話題になりました。

こういう新しい製品が出てくると「試してみたい」と思うのですが、配線一体型のSADIOT LOCK2では、市販品のように気軽に載せ替えて試す、ということができません。ガジェット好きとしては、ここが一番もどかしいところです。

とはいえ、これは一条のスマートロックが悪いという話ではありません。電池交換不要の快適さは本物ですし、私自身は今も満足しています。大切なのは、メリットとデメリットの両方を知ったうえで選ぶことだと思います。

家づくりは設備の一つひとつにこうした「知っておけばよかった」が潜んでいます。複数のハウスメーカーの仕様を見比べておくと、自分にとって何が譲れないかが見えてきます。各社の資料を無料で一括請求できるサービスもあるので、検討の入り口として使うと効率的です。

まとめ|今は満足。でも“乗り換えられない”前提で選ぶべき

1年使ってみて、SADIOT LOCK2は「便利だけど縛られる」スマートロックだと感じています。

  • 電池交換不要で快適。締め出しもゼロ
  • でも常時給電=壁内配線のため、自分での交換は難しいと考えられる
  • 新しい製品が出ても、市販品のように気軽に乗り換えられない

今は満足しています。それでも、これから選ぶ方には「気に入っているうちはいいけれど、“乗り換えられない”という前提で選ぶ製品だ」とお伝えしておきたいです。便利さの裏にあるトレードオフを知ったうえなら、きっと納得して選べるはずです。

スマートロック単体の使用感については、SADIOT LOCK2を1年使った正直レビューで詳しく書いています。あわせてどうぞ。