一条工務店のエコキュート、外出先からお風呂が沸かせる|無線アダプターでできること4つ


子供と公園で遊んで汗だくになった帰り道、スマホを開いてボタンをひとつ押す。家に着くころには、お風呂にお湯が張り終わっている。

我が家のエコキュートは、こんな使い方ができます。三菱電機製のエコキュートに「無線LANアダプター」を付けたことで、スマホアプリから外出先でもお風呂を沸かせるようになりました。

この記事では、無線アダプターを付けるまでの経緯と、実際に使えるようになった機能4つを、アプリの画面つきで正直にレビューします。これから一条工務店で家を建てる方が「自分の家にも付けるべきか」を判断できるように書きました。

無線アダプターを付けるまでの経緯

きっかけは、太陽光の余剰電力でお湯を沸かす仕組みに興味を持ったことでした。

我が家は太陽光発電と蓄電池を導入する予定だったので、「昼間に余った電気でお湯を沸かせれば、それだけ電気代が浮くのでは」と考え、展示場で「給湯器の操作盤を無線LAN対応タイプに変更できますか」と営業さんに質問しました。

ただ、最初に聞いたときの回答は「できない」でした。当時はこの無線アダプターがまだ一条工務店の設定品(標準の選択肢として用意されている商品)に入っておらず、対応できないと言われたのです。

それが、打ち合わせを進めているまさにそのタイミングで状況が変わりました。ちょうど無線アダプターが新しく設定品として追加されたという連絡が入り、無理なく付けられるようになったのです。タイミングがよかった、という話で、こちらが粘って説得した、というものではありません。

「ちょうど昨日、設定品になるとの発表があったので、早速提案させていただきました」

営業さんからのこの一言で、当初あきらめかけていた機能が現実になりました。

なお、このとき「家中の電力を一括で見える化したい」という別の興味から一条オリジナルのHEMSも検討しましたが、見積りが高く見送りました。結論から言うと、HEMSを見送っても、無線アダプターだけで太陽光の余剰電力を使う自動機能は使えます。この点は記事の後半(できること①)で詳しく書きます。

そもそも無線アダプターとは

正式には三菱電機製エコキュート用の「無線LANアダプター」という別売部品です。これをエコキュートに取り付けると、スマートフォンアプリ「MyMU(マイエムユー)」とエコキュートがつながり、台所のリモコンの前に立たなくても、スマホからお湯まわりの操作・確認ができるようになります。

MyMUアプリの機器一覧画面。エアコン「リビング」とエコキュート「給湯機1」が並んで表示されている

電気図面上では「XEC」という記号で表記されていました。打ち合わせ当初は「浴槽の自動洗浄スイッチかな?」と勘違いしていたのですが、確認すると無線LANアダプターのことでした。図面の記号は分かりにくいので、気になる設備があれば早めに営業さんに聞いておくことをおすすめします。

設置では、正直につまずいた注意点があります。

三菱電機の無線LANアダプター(我が家はGT-HR1)は、ルーターとの接続にWPS(ボタン一つでWi-Fiにつなぐ機能)を使う仕様で、WPSに対応していないルーターとはつなげません。

我が家のWi-FiはUbiquiti(ユビキティ)のUniFiで組んでいるのですが、アクセスポイントのU7にはWPSがなく、無線アダプターを直接つなげませんでした。結局、光回線業者が設置していった回線終端装置「SGP400W」にWPS機能があったので、そちらに接続しています。ただ、この終端装置は無線アダプター(リビングのニッチに、テレビドアホンや給湯リモコンと並べて設置)から少し離れているため、電波はあまり強くありません。三菱電機も「ルーターは無線アダプターと同じ部屋に置いてほしい」と案内しています。

これから設計する方は、(1) Wi-FiルーターがWPSに対応しているか、(2) そのルーターをエコキュートの無線アダプターの近く(できれば同室)に置けるか、の2点を間取りの段階で確認しておくと安心です。とくにUniFiやメッシュWi-Fiなど、WPSを持たない機器で家中のネットワークを組む予定の人は要注意です。

ここからは、無線アダプターを付けて実際に使えるようになった機能を4つ紹介します。

できること① お天気リンクEZ(太陽光の余剰でお湯を沸かす)

一番うれしかったのがこれです。

「お天気リンクEZ」は、翌日の天気予報をもとに、晴れる日は夜間の沸き上げを減らし、昼間の太陽光の余剰電力でお湯を沸かすよう自動で調整してくれる機能です。曇り・雨の予報なら、これまでどおり割安な夜間電力で沸き上げます。

MyMUアプリの「動作モードとは?」説明画面。晴れの予報の日は夜間のわき上げを減らし昼間の太陽光でわき上げ、雨の予報の日は夜間に沸き上げる仕組みを示した図

設定はMyMUアプリから行います。郵便番号・昼間の消費電力量・太陽光発電の定格容量などを入力するだけで、あとは自動で動いてくれます。太陽光の余剰電力は、固定価格買取(FIT)の10年間が終わったあとも売ること自体はできますが、買取価格はぐっと下がります(卒FIT後は大手電力会社でおおむね1kWhあたり10円前後)。だからこそ、安く売るよりも自宅のお湯づくりに回すほうが、理にかなっています。

我が家の実際の設定はこんな感じです。夜間わき上げ抑制レベルは「最大」(夜間に沸かす量をできるだけ減らして、その分を昼間の太陽光に回す設定)、太陽光発電の定格容量は13.00kWと、自宅の設備に合わせて入力しています。

MyMUアプリの詳細設定画面。夜間わき上げ抑制レベル「最大」、ご家庭の昼間の消費電力量、太陽光発電定格容量13.00kWが設定されている

ここで第10記事とつながります。より精密に制御する上位機能「お天気リンクAI」は三菱HEMSとの連携が必要ですが、この「EZ」はアプリと無線アダプターだけで使えます。我が家はHEMSを見送りましたが、太陽光連携の自動わき上げ自体はこのEZでしっかり使えています。「HEMSを入れないと太陽光と連携できない」と思い込んで高い買い物をする前に、この選択肢を知っておく価値はあると思います。

MyMUアプリの「太陽光発電との連携」設定画面。連携がオンになっており、動作モードが「お天気リンクEZ」に設定されている

正直な注意点も書いておきます。三菱電機の仕様では、太陽光の余剰電力がエコキュートのわき増しに必要な電力を上回らないと連携運転は動きません。目安は次のとおりです。

タンク容量必要な余剰電力の目安
300L/370Lタイプ約1.5kW以上
430L/460Lタイプ約2.0kW以上
550Lタイプ約2.5kW以上

季節や外気温で変わるあくまで参考値ですが、「曇りがちで発電量が少ない日は思ったほど昼間に沸かない」ことはある、という前提で見ておくのが正直なところです。

できること② わき増し・わき上げ停止(手動操作)

スマホから満タンまでお湯をわき増ししたり、逆にわき上げを止めたりできます。

MyMUアプリのタンク画面。お湯の量約600L・シャワー約50分と表示され、「満タンわき増し」「わき上げ停止」のボタンがある

実際に役立ったのは、数日間の旅行に出たときでした。旅行先で「そういえばわき上げを止めるのを忘れた」と思い出し、その場でスマホから停止できました。家を空けているあいだ無駄にお湯を沸かし続けずに済むので、台所のリモコンまで戻らなくても思い立った瞬間に操作できるのは地味に便利です。

できること③ 過去2週間の使用湯量グラフ

アプリでは、過去2週間ほどのお湯の使用量がグラフで確認できます。

MyMUアプリの過去2週間の使用湯量グラフ。蛇口・シャワー/おふろ/追いだき・保温の内訳が日別の積み上げ棒グラフで表示されている

正直に書くと、この機能は導入直後に何度か眺めただけで、普段はあまり見なくなりました。それでも一度見ておくと、「昼間に子供と公園から帰ってみんなでシャワーを浴び、夜もお風呂に入った日は、やっぱり使用量が多い」といった我が家の傾向はつかめます。毎日チェックする機能ではないけれど、最初に一度見て家のお湯の使い方を把握しておく、くらいの距離感がちょうどいいと感じています。

できること④ 外出先からお風呂を沸かす(ふろ自動)

冒頭で書いた、一番わかりやすいメリットです。

外出先からスマホで「ふろ自動(湯はり)」を操作できるので、帰宅したらすぐにお風呂に入れます。子供と公園で遊んで汗だくになった帰りに、公園からお風呂を沸かしておけば、家に着いてすぐ汗を流せます。寒い冬の帰り道に、家に着いた瞬間あたたかいお風呂が待っているのも快適です。

MyMUアプリの遠隔操作設定画面。「遠隔操作」がオンになっており「遠隔で給湯機を操作する」と表示されている

普通のエコキュートだと「外出先から湯はりすると、浴槽の栓を閉め忘れていたらお湯が流れてしまう」というリスクがあります。実は我が家も検討当初、この点が理由で「外出先からの湯はりは難しい」と言われていました。

ただ、我が家の浴槽は自動洗浄機能つきで栓も自動で開閉するため、栓の閉め忘れを原則心配せずに外出先から湯はりできます。

正直に言うと、この自動洗浄(当時、キャンペーンで無料で付けられました)は、付ける前は「洗うのは手洗いでもいいし、壊れたら修理も大変そう」と少し迷った装備でした。でも実際に使ってみると、外出先からの湯はりと連動して栓が自動で閉まるおかげで、締め忘れを気にせず操作できるのが想像以上に快適です。洗浄自体もきれいで手間がかからず、今では付けてよかったと感じています。

念のための注意点として、三菱電機もアナウンスしていますが、外出先からふろ自動を操作するときは、誰かが入浴中・浴室にいる状態でないかを確認してから操作してください。便利な機能だからこそ、安全面だけは一呼吸おくのがおすすめです。

つけたほうがいい人・つけなくてもいい人

正直に整理します。

つけたほうがいい人

  • 太陽光発電を導入する予定で、余剰電力をお湯づくりに活かしたい人(お天気リンクEZ)
  • 帰宅時間が読みにくく、外出先からお風呂を沸かせると生活が楽になる人
  • 浴槽が自動洗浄・自動栓開閉タイプで、外出先湯はりを安心して使える人

急がなくてもいい人

  • 太陽光を載せない予定で、生活リズムが規則的な人
  • スマホ操作より台所リモコンで十分という人
  • WPS非対応のWi-Fi機器(UniFiなど)で家のネットワークを組んでいる、またはルーターとエコキュートが大きく離れる間取りの人(接続にひと工夫いる)

我が家の場合は、太陽光連携(お天気リンクEZ)と外出先からの湯はり、この2つだけでも付けてよかったと思える設備でした。

まとめ

一条工務店の三菱電機エコキュートは、無線LANアダプターを付けることで、スマホアプリ「MyMU」から次の4つができるようになります。

  1. お天気リンクEZ:太陽光の余剰電力で自動的にお湯を沸かす(HEMSなしでOK)
  2. わき増し・わき上げ停止:外出先から手動でお湯の量を調整
  3. 使用湯量グラフ:過去2週間のお湯の使用量を見える化
  4. ふろ自動:外出先からお風呂を沸かして帰宅後すぐ入浴

派手な設備ではありませんが、「太陽光を活かしたい」「帰宅後すぐお風呂に入りたい」という人には、暮らしの満足度を地味に押し上げてくれる選択肢です。設定品として無理なく付けられるタイミングがあれば、検討する価値は十分あると感じています。

なお、太陽光・蓄電池まわりの「電気の見える化」については、HEMSを見送ってアプリのパワーモニターで十分だった話をこちらの記事にまとめています。あわせて読むと、我が家のエネルギーまわりの全体像がつかめると思います。