一条工務店の脱衣室「物入」はカビる?梅雨どきに乾いた服を片付ける収納を実測した正直レビュー
「乾いた服をしまっておく収納、梅雨に湿気でカビたりしないのかな?」
家づくりで脱衣室の収納を計画していると、一度は心配になるポイントだと思います。お風呂のすぐ近く、洗濯機の隣、扉で閉め切る——条件だけ見ると、いかにも湿気がこもりそうです。特に梅雨は、その心配がいちばん大きくなる季節です。
わが家の脱衣室には、乾いた服をパイプハンガーに片付けておく「物入(ものいれ)」があります。本当に湿気るのか気になったので、ここに防水の温湿度計を置いて、6月の約1か月記録してみました。住んでいる地域では6月20日に梅雨入りしたので、梅雨入りの前後がまるごと含まれています。なお、わが家は除湿機能(空気から水を抜くモード)はもともと使っておらず、いつもどおりオフのまま測っています。この記事は、その実測データを誇張なしでそのまま公開するものです。結論から言うと、夜は上がるけれど朝には戻り、梅雨入りの前後でもほとんど変わりませんでした。
※この記事は一施主が自宅で測った参考値であり、厳密な実験ではありません。センサーには測定誤差があり、設置場所によっても値は変わります。対象は6月の約1か月ぶんのデータです。
この記事でわかること
- 梅雨どきの脱衣室で、入浴・洗濯によって湿度がどう動き、朝にどこまで戻るか
- 梅雨入りの前と後で、収納の湿度は変わったのか
- 収納の扉を開けた日と閉めた日で、湿度がどう違ったか
- これから脱衣室収納を計画する人が、湿気対策で気をつけたほうがいいこと
結論:部屋は上がっても、扉を閉めた収納は動かない。梅雨でもカビ域に届かなかった
先に結論です。下のグラフは、梅雨入り後のある平日の脱衣室と物入の湿度を、1分ごとに丸一日ぶん記録したものです。この日は、洗濯物を干す前に物入の扉を閉めた、わが家のいつもどおりの日です。

入浴・洗濯で、脱衣室(部屋そのもの)は夜に最大75%まで上がりました。一方、洗濯物を干す前に扉を閉めた物入は、53%前後でほとんど動きません。部屋が梅雨の湿気で上がっても、扉を閉めた収納の中までは入ってこない——これがいちばん伝えたいことです。そして部屋のほうも、明け方には50%前後まで戻ります。どちらも、カビの目安とされる80%には届いていません。しかもこの間、除湿モードは使っていません(家の換気と全館空調、それに洗濯後の送風だけです)。
なぜ「しまう収納」は湿気ると思われがちなのか
実測の前に、なぜこの場所が心配されるのかを整理しておきます。脱衣室の収納は、
- 浴室のすぐ隣で、入浴後の湿気が流れてきやすい
- 洗濯機が近く、部屋干しもする
- 扉で閉め切ると、空気がこもって逃げ場がない
という条件が重なります。だから「服をしまっておいたらカビ臭くなりそう」と身構えるのは自然なことだと思います。賃貸や旧居の収納で、衣類が湿っぽくなった経験がある人も多いはずです。
ただ、わが家は一条工務店の高断熱・高気密の家で、全館空調(さらぽか)も入っています。家全体の湿度がそもそも上がりにくい環境なので、その前提では結果が変わるのではないか——という仮説で測ってみました。さらぽかが家中の温湿度をどれくらい一定に保つかは、別記事で公開しています。
わが家の脱衣室の使い方(洗う → 干す → しまう)
測った場所と、普段の使い方を共有します。わが家の脱衣室は「洗う・干す・しまう」が一歩で完結する動線です。

平日のおおよその流れはこうです。
- 洗う:18〜20時に入浴し、そのあと洗濯機(縦型)を回す
- 干す:20時半〜21時ごろ、固定式の物干し金物に干す。干したあとは必ず送風(風を回すだけのモード)を回します
- しまう:翌朝、乾いた服をハンガーごと、隣の「物入」に移す
ポイントは、物入に入れるのは「乾いた服」だけという点です。濡れた洗濯物は物入には入れず、干すのはあくまで部屋側。乾いてから、朝にまとめて物入へ移しています。脱衣室をどう使っているかは、ランドリー化の実例として別記事にまとめています。
扉を開けた日と、閉めた日で違いはあるか
正直に補足しておきたいことがあります。わが家は普段、物入の扉を開けています。そして洗濯物を干すときは、干す前に物入の扉を閉めて、部屋干しの湿気が物入に入らないようにしています。つまり「干すとき=閉める/それ以外=開けている」という使い方です。
データを見ると、その差ははっきり出ていました。
- 干す前に扉を閉めた夜(冒頭のグラフの日):部屋は梅雨の湿気で75%まで上がったのに、物入は53%前後でほとんど動きませんでした。扉を閉めたことで、部屋側の湿気が物入に入ってこなかったのだと考えられます。
- 扉を閉め忘れて開いていた夜:物入も部屋の湿度に追従して上がりました。ただし、それでも60%台どまりで、朝には部屋と一緒に48%前後まで戻っていました(1か月を通した物入の瞬間最大でも74%で、80%には届きませんでした)。
つまり、扉を閉めれば部屋が75%でも収納は53%前後、うっかり開けっ放しでも60%台どまり。どちらの場合も、カビの目安とされる80%にはまったく届きませんでした。「閉め忘れたら一気にカビる」というような神経質さは、わが家では必要なさそうでした。
梅雨入りの前後で、湿度は変わったのか
「梅雨に入ったら、さすがに収納も湿気るのでは?」と思いますよね。そこで、6月の約1か月を連続で記録したデータを、梅雨入り(6月20日)の線を引いて見てみます。

驚いたことに、梅雨入りの前と後で、家の中の湿度はほとんど変わりませんでした。毎日きれいに、夜に上がっては朝に戻る、を繰り返していて、6月20日を境に何かが変わった様子はありません。外の湿気は梅雨入りで増えたはずですが、高断熱・高気密+全館空調の家の中では、その影響がほとんど出なかったということだと思います。数字でまとめると次のとおりです。
| 場所 | 平均の相対湿度 | 期間中の瞬間最大 | 相対湿度80%以上だった時間 |
|---|---|---|---|
| 物入(しまう収納) | 51.5% | 74% | 0% |
| 脱衣室本体 | 55.4% | 78% | 0% |
梅雨入り前(6/1〜19)と後(6/20〜)で平均湿度を比べても、物入は51.8%→51.1%、脱衣室は55.7%→54.8%と、ほぼ横ばいでした。そしてこの1か月を通して、相対湿度が80%に達した時間はゼロ。物入が70%を超えたのも、合計してほんの数分程度(扉を閉め忘れた日の夜のピークだけ)でした。除湿モードを使わず、家の換気と全館空調、それに洗濯後の送風だけで、これでした。「乾いた服をしまう収納=湿気てカビる」という心配は、少なくともわが家の梅雨どきでは数字に表れませんでした。
物入のほうが脱衣室本体より乾いていた理由
物入は脱衣室本体より一貫して湿度が低めでした。理由はいくつか考えられます(あくまで推測です)。
- 物入に入れるのは「乾いた服」だけだから。濡れた洗濯物を直接入れていないので、収納そのものが湿気の発生源になりにくい。
- 干す作業は部屋側でしているから。部屋干しの水分は脱衣室本体の空気に出ていき、扉で仕切られた物入の中までは入りにくい(干すときは扉を閉めているのでなおさら)。
- 浴室・洗濯機に近いぶん、湿気の山が立つのはむしろ脱衣室本体のほう。瞬間最大も脱衣室本体78%、物入74%でした。
つまり「収納=こもって湿気る」というより、わが家の場合は生活の湿気が出る場所(部屋側)と、乾いた服を置く場所(物入)が分かれていたことが効いているようです。
物入に置いている防水温湿度計について
物入(しまう収納)に入れているのは、SwitchBotの防水温湿度計です(実売2,000円前後)。屋外や物入のように、ふだん直接のぞいて数値を見ない場所には、このタイプを選んでいます。本体にディスプレイが無いぶん、画面の大きい「温湿度計プラス」より手頃で、屋外は防水である必要があるので、結局このタイプに揃えるのがわが家には合っていました。画面で温湿度を見たい部屋には、画面付きのタイプを使い分けています。
なお、ひとつ注意点として、この防水温湿度計はBluetooth単体だと本体に保存できる期間に上限があります(おおむね2か月強)。長期で記録を残したい場合は、こまめにアプリでデータを吸い出すか、ハブ経由でクラウドに残す運用がおすすめです。
正直な注意点・前提
数字をそのまま受け取る前に、いくつか前提を共有します。
- 対象は6月の約1か月(梅雨入りの前後)ぶんのデータです。 真夏の最も蒸す時期や秋雨など、別の季節では値が変わる可能性があります。今後も記録を続けて、季節ごとの傾向を追っていくつもりです。
- 一条工務店の高断熱・高気密+全館空調(さらぽか)という前提での値です。 家の性能や空調の有無で結果は変わります。後述の「こんな人は注意」も参照してください。
- センサーには測定誤差があり、設置場所(高さ・扉の開閉・吸気口や吹き出し口との距離)でも値は動きます。 厳密な実験値ではなく、あくまで自宅での参考値です。
こんな人は注意したほうがいい
わが家では問題なしでしたが、条件が違えば話は変わります。次のようなケースは、湿気対策を別途考えたほうが安心だと考えられます。
- さらぽか・うるケアのような全館の湿度コントロールがなく、断熱・気密もそれほど高くない家
- 収納の扉を閉めっぱなしで、室内側の換気もあまりしない場合
- 北側で日が当たらず、もともと結露しやすい立地・間取りの場合
逆に言えば、「乾いた服をしまう」「部屋側で干す(または送風で乾かす)」「家全体の湿度が上がりにくい」という条件がそろえば、収納の湿気はそこまで神経質にならなくても大丈夫そう、というのがわが家の実感です。
まとめ:洗濯物の「しまう収納」は、わが家の梅雨どきではカビ知らずだった
6月の約1か月の実測をまとめると、こうなります。
- 入浴・洗濯で部屋(脱衣室)は夜に上がるが、干す前に扉を閉めた物入は53%前後でほとんど動かなかった
- 梅雨入り(6月20日)の前後で、家の中の湿度はほとんど変わらなかった
- 物入が80%以上になった時間は、扉を開けていた日も含めて1か月でゼロ(瞬間最大でも74%)
- 除湿モードは使わず、家の換気と全館空調、洗濯後の送風だけ。ただし真夏など他の季節は今後の検証課題
「収納にしまった服が湿気でカビる」という心配は、条件さえ整えば思っているほど深刻ではないかもしれません。これから脱衣室の収納を計画する方は、「乾いた服をしまう」「干すのは部屋側で」「家全体の湿度が上がりにくい設計にする」あたりを押さえておくと安心だと思います。
ちなみに、わが家は一条に越してから、温度や湿度のための家電のいくつかが出番を失いました。その話はこちらにまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q. さらぽかがなくても、収納は同じくらい乾きますか? A. 同じとは言いきれません。今回の値は高断熱・高気密+全館空調という前提でのものです。家全体の湿度が上がりやすい環境だと、収納の湿度も上がりやすくなると考えられます。
Q. 収納の扉は閉めておくべきですか? A. わが家のデータでは、洗濯物を干すあいだ扉を閉めておくと、部屋が75%まで上がっても物入は53%前後で安定していました。閉め忘れて開いていた日でも梅雨どきで60%台どまりだったので、神経質になりすぎなくても大丈夫そうです。住み方によるので、断定はしません。
Q. 真夏や冬は、この記事と同じ結果になりますか? A. この記事は6月(梅雨入りの前後)のデータが中心ですが、物入については秋(10月)や初夏(5月)のデータもあり、いずれも80%には届きませんでした(最も高かった10月でも77%)。ただし、真夏(7〜8月の盛り)と真冬(12〜2月)のデータはまだ取れていないため、その時期は今後の検証課題です。